大学生の就活状況

今春、卒業を迎えた大学生の新規学卒者(いわゆる"新卒")の就職率は91.1%(4月1日現在の暫定値)と発表されました。これは、厚生労働省と文部科学省が共同で実施している「平成22年度大学等卒業者の就職状況調査」によるもので、昨年の同時期より0.7ポイント下回る数値となっています。また、「就職氷河期」といわれた平成11年度の結果と並んで過去最低だったこともあり、衝撃的な数値として大きく報じられました。

この数値をさらに学校種別で見てみると、大学生は男子が91.0%(昨年同期比1ポイント減)、女子が91.2%(同0.3ポイント減)、短期大学生は84.1%(同4.3ポイント減)、高等専門学校は98.5%(同1ポイント減)となっています。ちなみに、厚生労働省がこれらの調査結果と同じ日に発表した高校生の就職内定率(3月末現在)は、前年同期比で1.3ポイント増の95.2%で、男子が96.5%(同1ポイント増)、女子が93.5%(同1.8ポイント増)でした。

世界でNo.1の生産シェアを誇る中国の家電メーカー
ハイアール

この調査は、全国の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校など112校の6,250人を対象に実施されています。ただし、岩手県、宮城県、福島県で対象となっていた大学6校の320人については、東日本大震災の影響でデータがそろっていないため、現時点では調査対象から除かれています。これらの被災地の調査結果のデータがそろい次第、改めて公表される予定ですが、被災地の現状から鑑みてもその数値はさらに低くなることが予想されています。

この結果を踏まえて、厚生労働省の担当者は「平成20年秋のリーマン・ショック以降、企業の採用が絞られており、昨年春の新卒者より厳しい数字になることは予想されていた。それを思えば、最終的には下げ幅を小さくすることができたのではないか」と発言しています。東日本大震災の影響については「東北地方を中心に3月の追い込み時期に影響があった」としたうえで「今後、中小企業を中心に採用意欲が減退することが懸念される」とを強化した成果が出た」と分析しています。

今年度(2011年)から次年度(2012年)にかけて、大学生の就職活動(ここでは"就活"と表記します)を取り巻く環境にいくつかの変化が起こるといわれています。

その1つ目のトピックが「就活開始時期の後ろ倒し化」です。就活の早期化・長期化により、「卒業論文や卒業研究の指導が十分に行えない」、「留学を断念する学生の増加」といった大学教育への悪影響が指摘されてきました。大学側からは就職問題懇談会が「4年次の4月以降に採用選考活動を開始する」よう繰り返し要請してきました。それを受けた企業側である社団法人日本経済団体連合会(経団連)がこれまで公表していた「大学・大学院新規学卒者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」を見直し、会社説明会などを開始する時期を2か月後ろ倒しすることを発表しました。この見直しが実現すれば、実質的な選考が今より2か月遅れの12月前後から始まることになり、従来の就活スケジュールに変化が生じることになります。

それに加えて、「東日本大震災による影響」も2011年の就活を語るうえで重要なトピックです。東北地方の中小企業を中心に求人数の減少が予想され、採用活動スケジュールも例年より遅れる傾向にあります。また、東北地方では「地元を離れることができない」、「復興に取り組みたい」との思いから地元に止まることを選ぶ学生や若年求職者が増えているそうです。この現象により「求人数」と「求職者数」のバランスが崩れることを指摘する声もあがっています。

そして、3つ目のトピックは「卒業から3年未満の若年者を新卒扱いとする」動きです。これは、2010年7月の日本学術会議「大学教育の分野別質保証の在り方について」の中で提案されました。それを受けて、募集要項の応募資格に「来春卒業見込みの者」に加えて「卒業後3年未満の者」という文言を記載する企業が増えてきました。そうなると、単純に「応募できるチャンスが増える」ようにも思えますが、それは分母となる応募者が増加しただけで、採用人数に大きな変動はありません。企業の採用担当者が「より良い人材を確保したい」というスタンスで選考を進めることに変わりはないため、応募者が「就活に真摯に取り組むことが大切」という点は同じといえます。

社会人になってから他の業界や企業のことを知りたいと思っても、その手段はインターネットや新聞、書籍で情報収集をする程度です。しかし、学生であれば、就活を通してこれから様々な業界や企業の人と知り合うことができ、その経験は社会人になったあとの大きな財産になることでしょう。また、「業界や企業を知る」ことができるだけでなく、20数年のこれまでの自分自身を「振り返り」「見直し」「向き合う」ことで「新しい自分を知る」ことができる絶好の機会です。就活を「内定を獲得するため」だけにするのではなく、「理想や夢に近づくための一歩」と受け止めて前向きに取り組むことができれば、「内定だけではない何か」が得られるはずです。

歯科助手情報は歯科助手のお仕事
歯科助手のことならお任せ